皆さんこんにちは。
大阪府豊能郡能勢町を拠点に、土木工事や建築工事を手がける株式会社福井組です。
現場へのICT導入を検討する際に、「具体的にどのような流れで工事が進むのか」「ドローンや3次元データなど、準備が難しそう」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
新しい技術を取り入れるのはハードルが高く感じられがちですが、実は、国土交通省が定める5つの基本ステップや身近なツールを活用した準備のコツを把握することで、スムーズな導入と現場の効率化が可能です。
この記事では、ICT活用工事の手順を知りたい方に向けて、具体的な進行のステップや事前の書類作成のポイント、現場で活躍する最新機械などについてご紹介していきます。
これから社内でICT化を推進したい経営者や現場監督はもちろん、新しい技術に関心がある未経験者にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
■ICT施工の5つのステップ

国土交通省が推進する「i-Construction」において、ICT(情報通信技術)を活用した工事は大きく5つのプロセスで進められます。従来の土木現場から作業がどのように効率化されるのか、具体的な工程の全体像を整理します。
・3次元測量と設計データの作成
まず初めに、ドローン(UAV)やレーザースキャナーといった機器を使い、現場の地形を3次元(3D)で測量します。
人が歩いて測る従来の方法よりも、短時間で広範囲の高精度なデータ取得が実現します。その測量データをもとに完成形の3次元設計データを作成し、施工の準備を整えます。
・建設機械による実際の施工
作成した3次元データをICT建設機械(建機)に読み込ませて工事を実施します。ショベルカーなどがデータ通りに半自動で動くシステム(マシンコントロール)を利用するため、経験の浅い作業員でも正確な作業が可能です。
現場に丁張(目印となる木の板)を設置する手間も省け、生産性と安全性が大きく向上します。
・出来形管理とデータの納品
工事完了後の出来形管理(設計図通りにできているかの確認作業)も、ドローンなどで再度3次元測量を行って計測します。
紙の資料を作成していた従来の業務とは異なり、検査から納品まですべてデジタルデータとしてクラウド上で管理・提出するため、書類作成の負担や人手不足といった課題の大幅な削減に繋がります。
■必要な書類作成とエクセル活用

ICT施工をスムーズに進めるためには、事前の準備や書類作成が欠かせません。ここでは、実務でよく使われる書類や、作業の負担を減らすための身近なツールの活用方法について解説します。
・協議書をスムーズにまとめる
発注者(依頼主)に対して「今回の現場ではICTを活用します」と提案し、承認を得るための重要な書類が「協議書」です。
対象となる作業の範囲や使用する機器を明確に記載する必要があります。国土交通省などが用意しているひな形(テンプレート)を事前に準備しておくことで、作成の時間を大幅に短縮できます。
・計画書はエクセルで時短する
実際の工事をどのように進めるかをまとめた「ICT活用工事計画書」の作成には、多くの企業が使い慣れている表計算ソフト(エクセル)が活用されています。
各自治体などがインターネット上で公開しているエクセルの参考様式をダウンロードして入力することで、ゼロから資料を作成する手間を省き、効率的に業務を進めることができます。
・提出書類の負担を減らすコツ
従来の工事では紙の書類を大量に印刷して提出していましたが、ICT施工ではデジタルデータでのやり取りが基本となります。
各種書類や測量データをクラウド(インターネット上の専用保存スペース)で共有するシステムを導入することで、検査や納品までのプロセスが改善され、施工管理を担当する現場の負担が劇的に減ります。
■国交省のルールと土工の進め方

国土交通省が定める要領(ガイドライン)に沿って工事を進めることは、新しい技術を現場に定着させるための必須条件です。ここでは、特に普及が進んでいる「土工」のルールと効果を解説します。
・複雑なルールをわかりやすく
国や自治体が定めたICT施工のルールは、専門用語が多く難しく感じられがちです。簡単に言うと、「どの機器を使って、どれくらいの精度(正確さ)でデータを測り、どうやって検査するか」の基準が決められています。
たとえば、「土を掘る作業では、レーザースキャナーを使って何メートル間隔で地形を計測してください」といった具体的な指示が書かれています。
これらの要領を現場の作業員全体で正しく理解し、共有することが、ミスを防ぎ効率的な業務を実現する第一歩となります。
・ICT土工で得られるメリット
土工(土を掘ったり盛ったりして建物の基礎を作る土木工事)は、情報通信技術(ICT)を導入する恩恵を最も受けやすい分野です。従来は、人が何度も現場に入り、手作業で動かす土の量(土量)を計算していました。
しかし、ドローンによる測量と専用のソフトウェアを活用することで、パソコン上で自動的に正確な数値を算出できるようになります。
これにより、事前の調査や計画にかかる時間が大幅に短縮されるだけでなく、人手不足の解消や労働環境の改善といった建設業界が抱える課題の解決にも直結します。
■現場で活躍する最新の機械

ICT施工の主役とも言えるのが、最新のテクノロジーを搭載した機器や重機です。職人の勘や経験に頼っていた作業をデジタル化し、現場を劇的に変える代表的なツールをご紹介します。
・ドローンで現場を正確に把握
空を飛ぶ小型無人機であるドローン(UAV)は、事前の測量作業に欠かせない存在です。上空からカメラやレーザースキャナーを使って広範囲の地形を短時間で計測し、正確な3次元データを作成します。
人が立ち入るのが危険な急斜面でも安全に状況を確認できるため、現場全体の把握から日々の進捗管理まで幅広く活躍します。
・自動制御で動くICT建設機械
ICT建設機械とは、位置情報(GNSS)や3次元の設計データをもとに、半自動で動くショベルカーやブルドーザーのことです。
たとえば土を平らに削る作業で、機械が自動で刃の高さを調整してくれます。熟練の技術がない若手の作業員でも、経験豊富なベテランと同じような高精度な施工を実現できるのが大きなメリットです。
・安全で効率的な現場を作る
これらの最新機械を導入する最大の目的は、生産性の向上と現場の安全性の確保です。従来のように建機のすぐそばで人が目印を確認したり、作業の合間に手作業で高さを測り直したりする必要がなくなるため、重機と人が接触する事故のリスクを大幅に減らせます。
少人数でも効率的かつ高品質な作業ができるため、人手不足の解消に直結します。
■まとめ

国土交通省が推進するICT施工は、事前の3次元測量から設計、機械による施工、出来形管理、納品までをデジタルデータで繋ぐ新しい工事の形です。ドローンやICT建設機械を活用することで、従来の手作業や書類作成の負担が減り、現場の安全性と生産性が劇的に向上します。
導入にはルールの理解や事前の準備が必要ですが、身近なエクセルやクラウドをうまく活用することでスムーズな移行が可能です。人手不足という建設業界の課題を解決し、より効率的な現場環境を実現するために、まずはICTの基本プロセスを正しく把握し、導入に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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